登録支援機関にかかる費用はいくら?月額委託手数料の相場を解説

特定技能外国人の支援計画に記載された支援の実施を登録支援機関に委託することができます。委託する場合、受け入れ機関は登録支援機関に対し、対価として月額の委託手数料を支払います。本記事では、登録支援機関の支援委託料の相場を説明していますので、特定技能外国人の受け入れを検討している場合はぜひ参考にしてください。


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登録支援機関に依頼できること

登録支援機関に依頼できること

外国人を雇用する受け入れ機関は、支援計画の実施の全部または一部を登録支援機関へ委託することができます。支援計画の内容は、日本に入国する前の手続きや入国後の住居確保、公的な手続き支援などの生活支援と、非常に多岐に渡ります。登録支援機関は支援計画の実施を代行する対価として、月額の委託費用を受け取るのです。

出典:外務省「登録支援機関について」

外国人の入国前後のサポート

登録支援機関は、すでに日本国内に在留している外国人だけでなく、これから入国する予定の外国人にも支援をおこないます。ケースによっては現地におもむくこともありますが、スカイプやズームなどを使ったオンラインで事前説明をおこなうことがほとんどです。

在留資格の申請や雇用契約の締結などの重要な説明が多く、場合によってはさまざまな質問に受け答えすることがあります。誤解を避けるために、相手が十分に理解できる言語を使う必要があり、外国語の堪能なスタッフの対応が求められます。

1. 事前ガイダンス
2. 出入国する際の送迎
3. 住居確保・生活に必要な契約支援
4. 生活オリエンテーション
5. 公的手続き等への同行
6. 日本語学習機会の提供
7. 相談・苦情への対応
8. 日本人との交流促進
9. 転職支援
10. 定期的な面談・行政機関への通報

参照:令和元年7月 出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』について」

日本で生活するための各種手続き

日本で生活するためには、住居の確保とライフラインの契約が必須です。そのために銀行口座も必要となります。登録支援機関は、賃貸契約の際に連帯保証人になったり、各種契約や手続きの補助をおこなったりします。社会保障や税金、年金などの公的手続きにも同行するため、外国人にとっては非常に心強い支援といえるでしょう。

日本で就労するためのバックアップ

外国人が日本で生活する上で生じた、相談事・苦情への対応も登録支援機関が代行してくれます。外国人と定期的に面談を行い、日本語学習の機会を提供し、場合によっては転職支援をおこなうこともあります。

登録支援機関に支払う費用とは

登録支援機関に支払う費用とは

登録支援機関に支援を委託すると、特定技能外国人に対して幅広い支援をおこなってくれます。支援の内容が多いだけに、気になるのが委託費用です。一般的な委託費用を調査してまとめましたので見てみましょう。

支援委託手数料の相場

登録支援機関として登録簿に掲載されている機関は、全国で7,119件※あります。

全国一律の料金システムではなく、その機関によってさまざまな手数料が設定されています。特定技能外国人ひとりあたり月額でいくら、という料金設定をしている機関がもっとも多いようですが、支援ごとに料金を設定している機関もあります。
※出典:出入国在留管理庁(令和4年6月8日現在)

特定技能はまだ新しい制度のため、支援委託の相場が安定していない状況にありますが、おおよその相場は下の図の通りです。

月額制で料金が設定されている登録支援機関の場合

特定技能外国人への総合的支援 月額 15,000~30,000円(1名あたり)

支援ごとに料金が設定されている登録支援機関の場合

入国前事前ガイダンス 1回 30,000~60,000円
生活オリエンテーション 1回 55,000~80,000円
定期面談 1回 10,000~15,000円
同行が必要な支援 1時間 5,000~10,000円

月額料金の中にはどのような支援内容が含まれているか確認することが重要です。金額だけで判断せず、月額料金以外に費用負担が発生する場合があるのか、契約前にしっかり確認しましょう。複数の登録支援機関で相見積を取り、比較検討することをおすすめします。

支援委託以外の費用

ほかにも、外国人を雇用するにあたって必要となる費用をまとめました。

費用の項目 ひとりあたりの相場 備考
人材紹介料 30万~90万円 紹介会社によって幅がある
ビザ申請 10万~20万円 書類の作成は行政書士・弁護士に依頼
住宅補助費 家賃の金額による 本人契約か借り上げかで差が出る
給与 月額 18万~25万円 業種によって差がある
日本人と同等以上である必要が有り

ビザの申請は準備する書類が多いため、ひとりあたり10万円から20万円となっています。現在ではオンライン申請が出来るようになり、金額が下がる傾向にあるようです。

雇用人数が多い場合は、自社で支援する選択肢も

雇用人数が多い場合は、自社で支援する選択肢も

複数の外国人を雇用する場合、委託費用が高額になり負担が大きくなるでしょう。それを避けるために、自社で登録支援機関の申請をするという選択肢もあります。自社内で支援をおこなうことで、登録支援機関に支払う費用負担を抑えて、コストカットをするという考え方です。

自社による支援のメリットとは

登録支援機関に支払う委託費用が無料になるため、大幅なコストダウンが可能です。外国人をたくさん雇用する場合には、メリットが大きいでしょう。

仮にひとりあたり3万円の支援費用で5年間雇用すると、180万円の費用が発生します。10人雇用すると1800万円の費用になります。自社で登録支援機関として支援をおこなえば、その分の費用負担が抑えられるのです。

自社による支援のデメリットとは

登録支援機関として登録を受けるには、外国人の受け入れ実績などの要件があり、非常にハードルが高くなっています。新しく外国人雇用を検討する企業では、要件を満たすことはできません。

支援を行う上で、外国人が充分に理解できる言語での対応が義務付けられているため、語学が堪能な専門スタッフが必要となるでしょう。出入国や滞在に関する知識や労務管理など、さまざまな法律や法令に関わるため、専門的な知識が必要となる場面が多くなります。これらをふまえて、登録支援機関に支払う委託費用と専門スタッフの雇用、どちらのコスパが良いか比較する必要があります。

登録支援機関は人材紹介会社や行政書士事務所などが多く、メイン事業の専門性・知識を活かして外国人を支援しています。費用負担があったとしても、ノウハウのある機関に依頼する方が得策かもしれません。

登録支援機関になるには

登録支援機関は必要な条件を満たしていれば、法人だけでなく個人でも登録できます。登録には条件があり、過去に外国人の受け入れ実績や相談業務への従事などが求められ、ややハードルが高いものになっています。

1. 支援責任者および1名以上の支援担当者がいること
2. 以下のいずれかの受け入れ実績や外国人への相談事業の経験があること   
・2年以内に就労資格を持った中長期在留外国人の受け入れ実績があること   
・2年以内に外国人に関する相談業務に従事した経験があること   
・支援責任者および支援担当者が、過去5年以内に2年以上就労資格を持った中長期在留外国人への生活相談業務に従事した経験があること   
・上記のほか、これらと同程度に支援業務を適切に実施できると認められていること
3. 外国人が理解できる言語での支援体制が整っていること
4. 1年以内に責めに帰すべき事由により特定技能外国人または、「特定技能」外国人の行方不明者を発生させていないこと
5. 支援の費用を、直接または間接的に外国人本人に負担させないこと
6. 5年以内に出入国又は労働に関する法令に関し、不正または著しく不当な行為を行っていないこと  

出典:出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』が創設されました」より抜粋

条件を満たした場合には、地方出入国在留管理局または同支局に申請書を提出することで、登録支援機関として登録されます。

専門知識やノウハウのある登録支援機関を活用しよう

外国人を初めて雇用する場合、思いがけないトラブルが起きる可能性もあります。専門知識やノウハウがある登録支援機関の助けを借りることで、トラブルが未然に防げるでしょう。登録支援機関とスムーズに連携を取ることが、外国人労働者が安心して就労できる環境作りにつながります。外国人の採用を検討している事業所は、登録支援機関の活用を検討してみるとよいでしょう。

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