お客様の声:介護老人保健施設アポロン様

静岡県島田市で複数の介護施設を運営されている医療法人社団健祉会様。特定技能外国人の採用においてスタッフプラスをお選びいただきました。
事務局長や介護老人保健施設アポロンの副施設長に、外国人スタッフ採用についての考え方や活躍ぶりについてお話を伺いました。
外国人採用についての考え方

特定技能の採用を進めた背景や経緯を教えてください。
アミン様:もともと人材採用の主な経路は、ハローワークと福祉課のある近隣大学の卒業生でした。
最近ではハローワークからの応募が減っていること、また近隣大学の卒業生に関しても近年福祉課に在籍している学生が減っているという事で、全体の応募数が減少傾向でした。
事業を安定させるために特定技能外国人の採用を検討しました。
受け入れにあたって取り組んだことを教えていただけますでしょうか?
アミン様:特定技能の導入に当たっては、職員への説明をしっかりと行いました。介護部門の部長、課長、主任、副主任に対して、2年くらいかけて外国人採用の必要性・理解を深めてもらうように話をしました。
人材紹介会社にも数社話を聞いて、どういった会社を選ぶべきか検討しています。
技能実習という選択肢もありましたが、海外でしっかり教育を受けてくることが大事だと感じましたので、特定技能を選択しました。
また、教育システムの見直しを行いました。毎月5-6人の日本の学生の実習受け入れの経験はあるのですが、外国人の受け入れは初めてだったためです。
一番大事な日本語を中心に、読み方や書き方の教え方の共有、資料はふりがなをふって読みやすくするなどの工夫を行っています。
特定技能スタッフの入社後、困ったことはありましたか?
アミン様:職員の間では特に困ったことはありません。
利用者さんに関しては、日本人スタッフでないことに関して多少の好き嫌いはあるかもしれません。
特定技能スタッフは現状、利用者さんと言葉が100%通じるわけではありません。ですが、特定技能スタッフはしっかり挨拶もしますし、利用者さんを思いやる気持ち・優しさがありますので、解決するのは時間の問題だと思います。利用者さんの家族にもご理解いただいています。
特定技能外国人スタッフの周囲の反応や指導について

特定技能の受入れ後、ご入居者様やご家族様からの評判や反応はいかがでしたでしょうか?
大石様:入社後の数日間ですが、認知症こそありますが、わりとはっきり意見を言う利用者さんがいて、特定技能スタッフのかぶるヒジャブを見て介助を拒否されてしまうケースはありました。
例えば、おしぼりを配るときに、「この子(特定技能スタッフ)が配ったものは使わない」と言われるような反応です。
当たり前ですが、利用者さんには選択する権利がありますので、周りのスタッフでカバーするようにして対応を行いました。
その後、この件について特定技能スタッフが否定的な感情を持ってしまうのは良くないと思い、話をしたのですが、その際に
「利用者さんが30数人いるなかで、私のことに否定的なのは1人だけでした。あとは皆さんありがとう、ありがとうと言ってくれます。だから私は全然気になりません。そのうち拒否されてしまった方にも受け入れてもらえるように頑張ります」と話していたのです。
個人の性格として良い部分が出ていたと思います。そのうち慣れるよ、という話をしてその日は終わりましたが、現在、その拒否された方とは全く問題なく介助や話もできるようになっています。
利用者さんのご家族については全く問題ありません。
現在の習熟度について教えてください。
大石様:平日の日勤を中心に業務を行っています。入社後ある程度たってから、少ない人数で対応する休日の日勤にも入っています。最初は1人プラスしてシフトを組んで、特定技能スタッフが1人立ちができると判断したタイミングで、正式に休日の日勤としてシフトに組み込んでいます。
入社から6-7か月後に早番遅番に関しては同じように1人プラスしてシフトを組んでいます。緊急時の対応などもありますので、1人立ちができるまでもう少し様子を見ています。
夜勤に関してはまだで、入社1年前後くらいで検討しています。夜勤になると必ず1人の時間が発生しますが、緊急時の対応や人に正確に伝えることがまだ難しいので、まだこれからだと感じています。
どんな体制でフォローしていますか?
大石様:特定技能スタッフは2名在籍していますが、別々のチームに配属しています。
それぞれのチームで14名程度おり、リーダークラスのスタッフを教育係として、特定技能スタッフの指導を行っています。
現場で指導する際に工夫や注意していることについて教えてください。
大石様:まず、近隣の老人保健施設で外国人スタッフを受け入れている施設があったので話を聞きに行き、業務上どんな工夫をしたのかをヒアリングを行い、以下を実施しました
・手順書のすべての漢字にふりがなを振る
・毎日日記を書いてもらう(入職後)
日記に関しては、最初の1か月は「まずはコミュニケーションをとること」を重視して、日本語の間違いなどは指摘せず、とにかく思ったことを書いてもらいました。「〇〇を頑張った」「〇〇がうれしかった」というような内容でしたが、周りのスタッフからも「頑張ったね」というようなコメントを書き込んでくれていました。
2か月目以降は「日本語の技能を高めること」を重視して、文章の書き方などを指摘していきました。漢字を利用するかは本人たちに任せていましたが、積極的に漢字も使いながら日記を書いています。
特定技能スタッフには記録の入力も行ってもらっています。パソコンだと変換してくれるので、日本語を手書きで書くよりも楽だと思います。簡単な事務的な文章が多いですが、それなりにかけるようになっています。
指導する上で、今後の課題と認識されていることはありますか?
大石様:特定技能スタッフが「わからないと思っている事がわからない」という点です。
自分の中で「これはわからない」としっかり認識されていれば、内容を言語化して誰かに聞くことができると思うのですが「わかっていない、ということがわからない」と周りの人に聞くこともできません。
チームメンバー全員が参加する会議でも、おそらく話し合われていることの意味がまだ理解できていないかな、と思う点はいくつかあります。そういう時に「わかりません」と言えればいいのですが、なかなか言いにくいと思うので、それは今後自分たちが気を付けて対応していかなくてはいけないと思っています。
あとはこちら側の課題ではありますが、海外から来ていること、日本語の上達が求められていること等で特定技能スタッフに注目しがちな面があります。ほかにも同時期に入社したよく頑張っている日本人の新人スタッフがいるので、特定技能スタッフだけに注目するのではなく、全体のバランスに気を付けたいと思っています。

入社してしばらく経ちましたが、日本での生活はどうですか。
アリアさん:日本での生活には慣れました。日本に来たときは心配な気持ちがありましたが、半年くらい住んでもうそんなに怖くないです。食べ物も口に合っています。寒くなってきたので、毛布や暖かいパジャマを用意しました。まだ暖房は使っていません。
エカさん:日本での生活には慣れましたが、最近は寒く感じます。インドネシアは冬がないので、これからの季節が少し心配です。(取材日:24年11月中旬)
お仕事をしてみてどうですか?
アリアさん:私の姉が6年くらい日本に住んでいるので、日本に来る前にいっぱい話を聞きました。
姉も静岡に住んでいるので、あまりイメージとギャップはありません。
仕事は大変ですけど、先輩がすごく優しくて、教え方もわかりやすいので良かったです。
エカさん:インドネシアで勉強していた時は、介護はもっと大変で怖いと思っていました。でも実際は、思っていたほど大変ではありませんでした。先輩も優しいので良かったです。
入社してから仕事をする上で工夫していったことはありますか?
アリアさん:朝礼や申し送りの時に聞いたことをメモに書いて、注意するようにします。
教えてもらった仕事もメモに書いています。教えてもらった後、次のタイミングで業務を行う前には、メモの内容が合っているかを先輩に確認してから業務を行います。
エカさん:私もメモを取ることに気を付けるようにしています。先輩ともコミュニケーションをとってメモを取った内容を確認しています。
日本に来て一番困ったことはどんなことですか?
アリアさん:仕事について覚えることが多いのが、困ったことです。遅番に入り始めたので、覚えることが増えました。オムツ交換や記録、言葉遣いを覚えるのが大変ですね。
記録の時はどういう言葉遣いが良いのかを考えています。副主任や課長補佐は「なんでもいいですよ、簡単な言葉でもいいですよ」と言ってくれますが、記録は他のスタッフも見るので、それは良くないと思って、考えながら書いています。
エカさん:日本語です。皆さんが何を話しているのかは理解できるのですが、返事をしたり、自分が話すのは難しいと思っています。なので今は日本語を勉強しています。
今後の目標について教えてください。
アリアさん:特定技能で日本にいる5年間で、日本語能力試験のN2を取りたいです。介護福祉士も取りたいです。
エカさん:私も介護福祉士をとりたいです。
特定技能外国人雇用を検討中の採用担当者へのメッセージ

登録支援機関をスタッフプラスにした決め手は何ですか?
アミン様:外国人人材の採用を検討し始めてから、2年くらいかけて10-15社ほどの人材紹介会社に話を聞きました。
人材紹介会社のタイプは色々あって、紹介してもらってお金を払ったらもう終わり、というような会社も多くある中で、優秀な人材の話や支援の内容を聞いてスタッフプラスに決定しました。
海外送り出し機関で受けている教育の質も大事だと思います。紹介手数料が安かったとしても、教育をきちんと受けていない方を採用するのは現場のためにならないのでよく考えたほうが良いと思います。
海外の現地で900時間程度、日本語と介護を勉強していると聞いていますが、しっかり勉強できているからこそ、日本に来た後、コミュニケーションも取りやすくなっていると思います。
あとは、スタッフプラスは紹介して終わりではなく、入国前の説明会や、入国後のフォローアップがしっかりされています。プライベート面でもいろいろサポートしてもらうこともあるようで、良かったと思います。
受け入れを検討中の施設様へメッセージをお願い致します。
アミン様:介護職の人材確保が難しくなる中で、安定して介護施設を運営するには職員の働きやすい環境をつくることが大事です。そのためにはまず人材を確保することから始めなくてはなりません。そのために特定技能などの外国人スタッフを採用することは非常に重要です。
外国人スタッフを受け入れるためには職員の理解が必要なので、職員に対して時間をかけてしっかり説明する必要があります。その中で外国人と一緒に働きたい・教えたいという気持ちを持ってもらうことが大事です。
特定技能を雇用するうえでの書類の作成は種類が多いため、かなり作成が大変ですが、乗り越えるしかありません。優秀な人材が入ってくれば、あの時大変だったが、結果的に良かった、と思えるはずです。
外国人スタッフの採用には時間がかかるのと、働き始めてから1人前に育つまでには時間がかかりますので、余裕をもって計画的に採用することが大事です。

【法人プロフィール】
医療法人社団健祉会
事業所:
レシャード医院
介護老人保健施設アポロン中溝
複合施設 アポロン伊太
地域包括支援センター
【話者プロフィール】
事務局長 レシャード・アミン様
介護老人保健施設アポロン:副施設長 大石様
介護老人保健施設アポロン:アリアさん、エカさん